平成21年10月13日掲載
岩村  博

           新型インフルエンザに備える!!
 
 
 新型インフルエンザの感染が夏から拡大しています。一人ひとりが、充分に対策を整えてお
きたいもの、秋から冬に向かうから今、家庭での備えを見直してみてはいかがでしょうか。

具体的な症状としては、急な高熱・咳・のどの痛み・倦怠感に加えて、鼻水・鼻づまり・頭痛
などがあげられ、季節性インフルエンザとよく似ています。しかし、新型ウイルスは肺で増殖し
やすく、季節性よりも肺炎になりやすいと報告されています。また、下痢などの消火器症状が多
い傾向もあります。

感染してから症状が現れるまでの潜伏期間は、1日から7日。医療機関では「インフルエンザ迅
速診断キット」の使用が増えており15分程度の簡易検査が行われています。この方法で季節
性と新型を見分けることはできませんが、どちらも抗インフルエンザ薬による治療が有効。
確定診断のための遺伝子検査(PCR検査)は、入院治療など、重症化の恐れがある患者を中心に
行われています。

まずは落ち着き、冷静に行動することが大切です。現段階では、適切に早めの治療を施せば、
ほとんどの場合軽症で回復しています。感染拡大を防ぐために一人ひとりが、健康管理と予防
をしっかり行い、発症したときは周りに感染を広げないよう気をつけましょう。特に、子供
・妊婦・持病のある人は重症化のリスクが高く、注意がひつようです。
発症時の対応について、かかりつけ医師等に相談しておきましょう。

一方で、WHO(世界保健機関)は重症者の4割が持病のない健康な子供や50歳未満の成人であり、
中には発症後5〜6日で急に悪化する症例もあったと報告。感染は若者を中心に広がっており、
どんな人も重症化の兆候に注意が必要です。
冷静に対処する、ただし油断せずに行動することがもとめられています。

感染拡大が見込まれる冬に向け、日頃から十分な栄養と睡眠をとり、抵抗力を高めておくことが
重要です。バランスの良い食事と休養を心がけること、また、手洗いやうがいを習慣づけ、でき
るだけ人混みを避けて徹底した感染予防に努めましょう。

感染したときの治療法は、新型インフルエンザも季節性と同じく抗インフルエンザウイルス薬
「タミフル」「リレンザ」の投与が中心であり、治療に有効とされます。

これらの薬は、体内でウイルスが増殖するのを防ぐ働きを持っており、医療機関などで医師が
必要と認める場合に処方されます。タミフルは服用すタイプで、リレンザは吸入器を使って口
から吸入します。医師の指示に従い、どちらも自宅で扱うことが可能です。

《感染を予防しよう!》

・身につけたい手洗い習慣

 感染予防の基本は手洗い。外出後だけでなく、調理・食事の前など、できるだけこまめに洗い
 ましよう。石けんを使って最低15秒以上行い、洗ったあとは清潔なタオルや紙タオルで水をす
 っきりと拭き取ること。その際、タオルの使い回しはやめましょう。普段から手洗いを習慣づ
 けることが大事です。

・アルコール製剤で清潔に

 周りに水道のない場合では、アルコール製剤での消毒が便利。玄関を出入りするとき、患者の
 看病をした後などに、すぐ使えるよう置いておくと良いでしょう。ドアノブや階段の手すりを
 消毒するときにも利用できます。

・外出時のマスクは

 混みあう場所、人の多い室内、乗り物の中などでは感染予防の一つの方法になると考えられて
 います。咳やくしゃみの飛沫は1〜2メートル飛ぶといわれているので、そうした症状のある
 人は進んでマスクを着けましょう。

・こまめなうがいも大切

 口やのどの粘膜をきれいにし、湿度を保つうがいの習慣もぜひ心掛けたいもの。水を口に含み、
 のどに水が行き渡るよう首を動かしてガラガラとうがいをします。これを3〜4回繰り返しま
 しょう。
 
                                     以上

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